サイエンス

ファインバブル技術とは

ファインバブルは100μmより小さな泡

ファインバブルとは、直径が100μm(=0.1mm)より小さな泡のことを指し、2017年6月にISO規格にて定められた用語です。
ファインバブルには、泡の大きさにより、1μm以上100μm未満の気泡をマイクロバブル、1μm未満の気泡をウルトラファインバブルと区別されています。

ミリバブル:100μm以上
普通の泡。浮上してすぐに破裂
マイクロバブル:100μm未満~1μm
小さな泡がゆっくり浮上。しばらくすると消滅する。
ウルトラファインバブル:1μm未満
泡が小さく肉眼では見えない。安定しているので長時間残る。

定義されているファインバブル

マイクロバブル
マイクロバブルは、1分間に約数㎝程度の速度で、ゆっくりと水面に向かい浮上します。またマイクロバブルはマイナスの電荷に帯電しているものが多く、このことは弊社の研究施設でも確認できています。一方、有機物はプラスに帯電しているため、気泡が有機物に吸着し剥離した後、有機物と共に水面まで浮上します。その特徴を最大限に活かす用途の1つとして「お風呂」が非常に適しています。
ウルトラファインバブル
ウルトラファインバブルは、可視化できないほど微小なため、浮上する力より周りの力に影響されるため、浮上する事なくブラウン運動しながら、その場に停滞します。保存方法や保存状態により発生した気泡は約2ヶ月~3ヵ月程残存するものもあります。長期間壊れない強い泡であり水面浮上しない特徴や、発生直後の気泡を活かし、水流に含ませ、直接有機物にぶつけ、洗い流すシャワーにも適しています。

※ISO規格には、気泡の世界において「ナノ」という呼称は使用不可と明記されています。

サイエンスのファインバブル発生技術

加圧
液体に圧力をかけ、気体を溶解。圧力を開放する際に液体に溶け込んだ気体をファインバブルを発生させる方式。
せん断
液体中のバブルを水流によってせん断(引きちぎったり切断したり)して、より細かく砕きファインバブルを発生させる方式。
加圧+せん断
液体に圧力をかけ、気体を溶解。圧力を開放する際に発生させたバブルをせん断によってさらに細かいファインバブルを発生させる方式。
トルネードミスト
高速うず流を発生させミスト化し、ファインバブルを発生させる方式。

気泡の測定

気泡径 ・量のパラメーター計測(発生条件設定を変更しながらの計測も可能です)
※マイクロバブルサイズ、ウルトラファインバブルサイズに対応

ZETA VIEW(マイクロトラック・ベル社製)
この計測器 ZETA VIEW には、①液中粒子からの散乱光を画像で直接捉えることが可能、②粒子一つひとつの動きを捉える高い分解能、③粒子数をカウントし個数濃度(個数/mL)を計算、④顕微鏡電気泳動法により正確にゼータ電位を測定、などの優れた特徴があります。
Part AN SI(マイクロトラック・ベル社製)
試料循環器で分散させた試料をフルフレームカメラでとらえ、画像解析により粒子径を測定。分散・凝集状態の確認や形状評価が可能で、:粒子径分布(体積、個数)、形状評価(面積、円相当径、周囲長径、包絡面積など)を計測できます。

ファインバブル技術の概要

1:ファインバブル技術の名称

加圧溶解及びせん断を用いた微細気泡を発生する入浴装置

2:技術実施の効果

小型マグネットポンプ及び吸い込みノズル、吐出ノズル、タンクを主要構成として、 ユニットバスを基本として浴槽エプロン内部に取り付けが可能な、微細気泡発生装置であり、発生するファインバブルを用いて入浴者に対して温浴や洗浄効果が期待され、入浴の効果を高める。

3:効果の詳細

3-1 発生しているとされるファインバブルの特性と分散媒体

製品運転により発生しているとされるファインバブルは、浴槽水中のマイクロバブルであり、サイズは1μm~100μmの間のいずれかであり(図1)、少なくとも1mL当たり1500個の濃度をもつ(図2)。小型且つ耐水性及び安全性に優れた直流ポンプにより、浴槽全体に気泡を充満させることができる性能を有する(図3)。

図1:微細気泡顕微鏡写真(1メモリ=1μm)

図2:気泡径及び分布計測結果(クリックで拡大)

図3:運転状況

3-2 発生機機能の詳細

吸い込みノズルから浴槽水と空気を吸引し、溶解タンクにて溶解・粉砕・余剰空気の分離排出を行い、吐出ノズルでさらに微細化する(図4)。

図4:ファインバブル発生構造原理

3-3 温浴・洗浄効果の詳細

浴槽から上がった後の体表面温度低下が15分間後にて3℃差となり(図5/図6)、体表面の温度低下が少ないことが確認される。
浴槽から上がった後の体表面の洗浄効果があり、目視される(図7)。

図5:サーモ計測画像

図6:体表面の温度変化グラフ

図7:洗浄比較写真

4:技術の概要記述の信頼性

図1、2、3、5、6、7については、当社にて適正な計量管理の下に取得したデータであり、その記述の正当性は当社が保証し責任をもって説明できる。図3に関連して、本発生機の使用現場でのマイクロバブルの発生については、同現場への発生機設置担当者による目視検査を義務付けた管理体制によって当社が保証している。その目視検査内容の要点は、安定な運転時に浴槽中心水中に鉛直に差し込んだものさしの表示が50mm以下が水面上から目視できない程度以上の白濁を要求するものである。

5:技術の概要記述を支持する資料、データ

実用新案 第3148050号
掲載図1:微細気泡顕微鏡写真(製品より発生する気泡の測定及び画像/写真:1メモリが1μm)
掲載図2:気泡径及び分布計測結果(音響式気泡分布計測装置による測定/音響式気泡径分布計測装置(ABS)は、超音波信号を利用して液体中の気泡径分布を計測するシステムで、米国Dynaflow社によって開発されました)
掲載図3:運転状況(浴槽全体に広がるマイクロバブルによる白濁の観察)
掲載図4:ファインバブル発生構造原理(発生機構説明図)
掲載図5:サーモ計測画像(サーモ測定状態(湯上り15分経過後))
掲載図6:体表面の温度変化グラフ(入浴後の体表面温度低下測定結果)
掲載図7:洗浄比較写真

ファインバブル産業会(FBIA)

サイエンス「マイクロバブルトルネード」は、ファインバブル産業会(FBIA)が管理するファインバブル製品の登録制度規格に適合しています。

《ファインバブル技術利用製品/登録番号:RBG 1508001》