真冬の祭りと泡のお風呂―熊本「的ばかい」現地レポート【前編】

2026.01.26 ユーザーボイス

真冬の祭りで冷え切った体を、白く濁った泡が包み込む

「まーと!まーと!」

冬空に響く、威勢のいい掛け声。2026年1月18日、熊本県長洲町の四王子宮に、締め込み姿の男たちが集まっていました。

重さ6kg、直径60cmの「的」を巡って、全力でぶつかり合う男たち。約860年続く伝統行事「破魔弓祭」、通称「的ばかい」です。「ばかい」とは、この地方の言葉で「奪い合い」を意味します。

祭りが終わる頃には、全身泥だらけ。海水と冬の風で、手足はすっかり冷え切っています。

「めちゃくちゃ盛り上がって心はスカッとしますが、足元や体は泥がついたりしますし、1時間くらい動き続けているのでどっと疲れます」

参加者の一人が、そう語ってくれました。

そんな男たちを待っていたのが、特設された洗浄・入浴エリアでした。そこには、大きな浴槽が置かれ、浴槽全体が真っ白に濁っています。

みんなすごく柔らかな表情になっているでスー

これは、サイエンスの技術提供を受けてキンパイ商事株式会社が開発した「被災地用大浴場キット」。シャワーヘッド「ミラブルzero」と、持ち運び可能な「どこでもミラバス」による、特別な入浴体験です。

一体どんな体験となったのか? 現地からレポートします!

 

これが860年続く伝統の祭り! 真冬の海で繰り広げられる大迫力の「的ばかい」

「破魔弓祭(的ばかい)」は毎年1月第3日曜日に開催される、無病息災と家内安全を願う伝統行事。「ばかい」は方言で「奪い合い」の意味です。締め込み姿の男たちが全力でぶつかり合い、藁と麻で編まれた「的」を巡る争奪戦を繰り広げます。その迫力は圧巻です。

「やっぱり的ばかいがないと1年がはじまった気がしません」

「祭りは地元のみんなが集まる機会で、昨日から集まって宴会をしていました」

参加者たちにとって、この祭りは単なる伝統行事ではありません。地域の絆を確かめ合い、新しい年の無事を祈る、かけがえのない時間なのです。

祭りは境内だけでは終わりません。的を奪い合いながら有明海へ向かいます。真冬の寒風が吹きすさぶ中、泥にまみれ、汗だくになりながら最後は冷たい海へ。海で的を清めて、祭りは幕を閉じます。的の藁は各家庭に分けられ、お守りとして大切にされます。

860年前から続いている唯一無二のお祭りをスーたろも間近で見られたでスー。ものすごい迫力でスー!

 

「え、水だけ!?」石鹸なしで泥がスッキリ落ちる驚きの体験

祭りを終えた男たちが最初に向かったのは、特設洗浄エリア。用意されていたのは、シャワーヘッド「ミラブルzero」です。

覚えている方も多いかもしれません。頬に油性ペンで線を引いて、シャワーを当てると数秒で消える、あの衝撃的なCM。2025年10月には累計販売数170万本を突破している人気商品です。

「石鹸使ってないのに、めちゃくちゃ落ちる!」

「すごいですね。石鹸も使わずにここまでさっぱりっていうのが」

泥まみれだった腕や足が、どんどんきれいになっていきます。参加者たちも驚きの表情です。

秘密は「ウルトラファインバブル」。直径1μm(0.001mm)未満の超微細な泡と独自の水流技術で、毛穴よりもずっと小さいため肌の角質層まで届き、汚れを洗い流します。

冷え切った肌に負担をかけず、泥も汗もこすらずスルスル落ちる。洗剤不要だから、環境にも優しい洗浄なのです。

疲れきったみんなの体が、優しい力できれいになっていったでスー

 

浴槽が真っ白に! 「大浴場」で体の芯からポッカポカ

全身の泥を洗い流し、いよいよメインイベント。「被災地用大浴場キット」のお風呂へ向かいます。

浴槽全体が真っ白に濁っている光景に、初めて見る人はびっくりします。この白さの正体は、「マイクロバブル」。複数台設置された「ミラバス」が生み出す、肉眼で見える白い泡です。

・マイクロバブル: 毛穴よりも小さなマイナスの性質を持つ泡で、プラスの性質を持つ皮脂汚れなどを吸着して浮上させます。

「被災地用大浴場キット」は、災害時に迅速に入浴環境を提供するために開発されたポータブル入浴装置。施工工事が不要で持ち運びができ、電源と水源があれば、どこでもマイクロバブル入浴が可能です。

「入った瞬間、普通のお風呂と全然違う感じがしました」

体を沈めた瞬間、参加者たちが口々に語るのは、やわらかい肌触りに包まれる不思議な感覚。お湯の温度は熱すぎないのに、じんわり体の芯から温まります。

この「じんわり温まる」感覚は、肌表面温度の数値にも表れています。サイエンスの調査によると、マイクロバブル入浴は一般的な入浴と比較して、入浴後の体表面温度が15分後に3℃高く維持されることがわかっています。

つまり、温かさが長続きする。真冬の海で冷え切った体には、この保温効果がバツグンなのです。

「上がった後のスッキリ感が格別です!」

「あの万博で展示されていた、ミライ人間洗濯機と同じ技術だなんて驚きました。いつものお風呂とぜんぜん違う。家にほしい」

笑顔で語る男たち。その表情の変化が、すべてを物語っています。

仲間たちとゆっくり話しているうちに、マイクロバブルの力でしっかり汚れを落とせるスー

860年続く伝統の祭りと、先端のファインバブル技術を活用したミラブルテクノロジー。被災地支援として開発された大浴場キットが、伝統行事を支える。一見遠いように思える二つが、「人を温める」という想いでつながった日でした。

後編では、この大浴場キットがどのように開発され、長洲町に届いたのか。なぜ「的ばかい」で活用しているのか。自治体担当者と開発担当者が明かす、支援に込めた想いに迫ります。

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