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ミライ人間洗濯機を体験!
大阪・関西万博の大坂ヘルスケアパビリオンで、ひときわ注目を集めているのが「ミライ人間洗濯機」。名前だけでインパクト十分ですが、実際に体験してみると、ただ体を清潔にするだけでなく、心までリフレッシュさせる全く新しい入浴体験でした。
近未来的なカプセルの中で、マイクロバブルとウルトラファインバブルに包まれ、AIが導き出す映像と音楽に心身を委ねる――。今回は、サイエンスの企画広報部が、サイエンスのゆるキャラ「スーさん」と共に、その一部始終をレポートします。

スーさん:「ミライを先取りする体験になるんでスー!」

木のぬくもりと未来感が融合するパビリオン
会場となる大阪ヘルスケアパビリオンは、木材を多用した温かみのある外観が印象的で、中に足を踏み入れると最先端技術の展示が並びます。
このパビリオン全体のテーマは「REBORN」――“人は生まれ変われる”“新しい自分を取り戻せる”というメッセージを掲げています。
特に存在感を放っていたのが、カプセル型の「ミライ人間洗濯機」。その姿はまるでSF映画のポッド。実は「人間洗濯機」という言葉は1970年の大阪万博(日本万国博覧会)で初めて登場しました。当時は“ボタン一つで体を洗う未来のマシン”として大きな話題になったものの、実用化には至りませんでした。あれから半世紀、あの展示に胸を躍らせた少年が、後にサイエンスを創業してファインバブルの研究を重ね、今回の「ミライ人間洗濯機」を実現させたのです。
そんな物語を知ると、装置の前に立った瞬間から胸が高鳴ります。期待と好奇心、そして“新しい自分に生まれ変わりたい”という気持ちを抱えて、いざ体験へ。
「ついに夢が本物になったでスー!」

これが“ミライ人間洗濯機”だ
内部にはリクライニングチェアが設置され、天井や正面には大きなスクリーン。完全にカプセルに覆われると、外の喧騒が遮断され、未来の乗り物に乗り込んだような非日常感が広がります。案内スタッフによれば、入浴時間はおよそ15分。ハッチが閉まったら、いよいよ「洗濯」開始です。

スーさん:「宇宙船に乗り込む気分でスー!」

水が満ちていくワクワク
最初は足元にお湯が流れ込み、次第に膝、腰、胸元へと水位が上がっていきます。透明だった水は、細かな気泡で白く濁ったように変化しました。これは「マイクロバブル」と呼ばれる直径約1000分の3㎜前後の泡です。
肉眼で見える大きさですが、毛穴よりも小さいため、皮膚の奥に入り込みやすく、汚れや皮脂を浮かせて落とす効果があります。実際に肌をなでると、柔らかなとろみを感じるのが印象的でした。水温も熱すぎずぬるすぎず、ちょうど“じんわり”体を包み込む絶妙な加減でした。

バブルの二段構え ― マイクロバブルとウルトラファインバブル
さらに胸から上にはノズルが作動し、ハッチが閉まってから約5分後に「ウルトラファインバブル」を含んだ水流が噴射されます。ミライ人間洗濯機で使用されているウルトラファインバブル(UFB)は、直径が約1万分の1㎜ 未満の超微細な気泡です。一方、代表的なスギ花粉の大きさは約30 μm程度です。
これは、UFBが花粉の約30分の1以下のサイズしかないことを意味します。この極小サイズが、UFBを微細な隙間にまで浸透させ、洗浄や浸透などのユニークな効果を発揮する鍵となっています。
この泡はつぶれにくく、まるでやさしい研磨剤のような役割で毛穴の奥の汚れを洗い流し、同時に保湿効果も期待できるのだそうです。
「ミライ人間洗濯機の中で浴びるバブルは、全部で160リットルもあるんでスー!普通のシャワーの水流で160リットルを浴びると中々多いように感じますが、バブルになって吐出されることで、そのボリュームを感じさせず、軽やかな感覚で入浴できるんでスー!」
この二種類の泡を組み合わせることで、浮かせて落とす(マイクロバブル)+やさしく磨く(ウルトラファインバブル)という、 “二段構え”の洗浄が実現します。実際に顔に水流をあてると、普通のシャワーとはまったく違う柔らかな感触で、刺激が少ないのにスッキリ感がありました。

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